教育勅語が担ぎ上げられたのは、戦後民主主義に悪口を言いたいから!?
【教育勅語】を憲法学者・木村草太氏が徹底解説2/3
●教育勅語を持ち出す政治家の矛盾
木村…政治家個人というよりも、それを支持する国民のなかに、戦後民主主義否定派がいることを知っておくべきです。彼らのなかには「戦後民主主義に嫌がらせができれば何でもいい」と考えている人もいて、実は教育勅語の内容自体はどうでもいいと思っている人も多いはずです。それより教育勅語を持ち出すことで、戦後民主主義を支持する人に嫌がらせができればいいんです。しかし、同時に政治家にとってはここである矛盾が存在しています。
トオル…どういう矛盾ですか?
木村…当然ですが、今の政治家は戦後民主主義のもとで選ばれています。つまり、嫌がらせはしているけども、全否定すると自分の存在自体も否定することになる。まるで中学生の親への反抗のようなもので、反抗はするけども家からは出ていけない中学生と同じです。
トオル…な、なるほど。
木村…子供じみた嫌がらせであるんですよね。本当は回りくどいことをしなくても、一番手っ取り早いのは「教育勅語、万歳!」と言えばいい。しかし、言い過ぎるのはさすがにマズい。
シズカ…大日本帝国のための内容だし、そもそもすでに失効しているものですものね。
木村…しかし、歴史教材として使うことはできる。だから「教材として用いることまでは否定されることではない」という曖昧な言い方をしています。
(第三回につづく)※「BEST T!MES」にて5月14日(日)6:30公開予定です
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